design learning style 〜コレマナ〜

はじめに

広島市は、1945年8月6日、一瞬にして焦土と化し、多くの命が失われた場所です。市内のいたるところ、生徒さんたちの立っている足元でさえ、苦しさと無念のうちに命を断ち切られていった人々が現実にいたのです。平和記念資料館や原爆ドームを訪れれば、広島に落とされた原子爆弾が、いかにして多くの人々の命を奪っていったのか、また、極めて非人道的で危険な兵器であるかなどを知ることができます。

しかしながら、コンビニがあふれ、車の行きかう近代化した現在の広島の姿からは、児童・生徒のみなさんにとって自分が生まれるよりもはるか以前の姿は、想像することさえも難しいかもしれません。また、修学旅行を終え、日常の生活に戻ると、資料館や平和公園で見てきた内容は、いつの間にか、どんどん遠いものになっていくのではないでしょうか。

広島で起こった惨事を繰り返さないためには、「平和とは何か」や、「そのために自分自身がどうあるべきなのか」を考える機会が重要ではないかと私たちは考えています。私たちは、資料館見学などで広島での出来事を知った参加者に、自ら考え、 社会をよりよく創りだす材料を日常に持ち帰ることのできるようなプログラムを補完的に提供できないかと考えています。

広島市に来た生徒さんたちに、原爆被害の実態を知ることに加えて、広島から、社会のこと、自分の未来について考えることのできる、実りある旅としていただけることを心から願っています。皆さまのお越しを心よりお待ちいたします。

これからの学びネットワーク 理事(平和教育担当) 堀江清二