design learning style 〜コレマナ〜

推薦

スティーブン・リーパー 氏 (平和活動家)


ヒロシマでの経験はとても影響力の強いものです。私自身も、この街で学んだことで大きく変わりました。原爆投下という事実を目の当たりにし、そして被爆者の方々の証言を聞くことで、訪問される多くの方々は、戦争、とりわけ核戦争についてその残虐さを感情的に理解されると思います。生徒さんはこのような経験をすればするほど、平和な世界のために自ら尽力したいと思われることでしょう。

しかし同時に、戦争とは悪であり、平和とは善であるならば、生徒さんたちは世界平和実現のために必要な、個人的そして社会的な変化について理解し、そして実際にそれを体験していく必要があります。さらに彼らは、彼ら自身の強さそして弱さについて、また世界、そして自分自身の心に平和をもたらすためにはいったいどうすればよいのか、について学んでいかなければなりません。そのためには、ヒロシマでの彼らの衝撃的な経験を、平和教育における何らかのプログラムで補完していくことが必要ではないでしょうか。

このピースクリエーターズプログラムは、生徒たちの「ヒロシマでの経験」を更に価値あるものとし、またその思いを自らの家、または普段の生活に持ち帰ることのできる素晴らしい内容です。私は、このプログラムを利用することを各学校、先生方、ご両親、そして生徒の皆さんにお勧めしたいと思います。

このプログラムを作り上げている若きピースクリエーターたちは、ヒロシマが未来に向けて歩むために多大なる尽力をしてくれています。私は彼らの先見、そして献身に深く感謝します。

The Hiroshima experience is powerful. I have been profoundly changed by what I have learned in this city. Encountering the atomic bombings and listening to hibakusha testimony help most visitors understand at an emotional level the horrors of war and、 especially、 nuclear war. The more students are exposed to this experience、 the more they will commit themselves to a peaceful world.

At the same time、 if war is bad and peace is good、 students need to understand and actually experience the personal and social changes world peace will require. Furthermore、 they need to think about their own strengths and weaknesses and how they can work to bring peace to the world or to their own hearts. Thus、 a program to follow up their shocking encounters with the realities of the atomic bombing should be an integral part of any effort at peace education.

The Peace Creators Program is an excellent option that will make each student’s ‘Hiroshima experience” more valuable and more portable、 that is、 easier to take home and into daily life at school. Without reservation、 I urge any school、 teacher、 parent or student to take advantage of this program when the opportunity arises.

The young Peace Creators behind this program are helping Hiroshima take an important step toward the future. I am grateful for their foresight and devotion.

プロフィール

Steven Leeper [スティーブン・リーパー]1947年米国生まれ。米国・ウェストジョージア大学大学院(臨床心理学修士課程)修了。広島YMCA講師、(有)トランズネット取締役、(株)モルテン海外渉外アドバイザー、平和市長会議米国代表、(財)広島平和文化センター専門委員などを歴任し、2007-2013年同財団理事長。


中山 修一 氏 (広島大学 名誉教授)

広島を訪れる修学旅行生を対象にした新しい発想の学習プログラム「ピースクリエイターになろう」が誕生しました。NPO法人これからの学びネットワーク(広島市)が、じっくりと練り上げた自信作です。修学旅行生を対象とする、このようなプログラムは広島にはありませんでした。私は、このまったく新しい発想の参加型学習による「平和を希求する心と力を育てる」というユネスコ精神の実現に通じるこの参加型学習プログラムを強く推薦したいと思います。
これまでのひろしま修学旅行は、その多くが平和公園と宮島めぐりが定番でした。しかし、「平和の聖地」に強い想いを寄せるNPO法人これからの学びネットワークのメンバーは、「創り出す平和」の実践プログラムの開発に多くの工夫を重ねてきました。戦争のない平和な世界を作り出すには、被爆や核兵器の恐ろしさに気づくことはもちろんです。同時に貧困、戦争や地域紛争など平和を乱す様々な要因を考え、それを解決しようとする糸口に気づく力を育てることが、グローバル時代を生き抜く未来の地球市民にとっては大いに大切であると信じます。
また、この「ピースクリエイターになろう」プログラムの一部は、広島市教育委員会が新たに策定した、平和教育の副教材「ひろしま平和ノート」(2013年から使用開始)の6年生の教材にも採用されています。この策定委員会メンバーには、「ピースクリエイターになろう」の原作メンバー3人も参画しています。
未来の地球市民となる修学旅行生が、平和公園訪問での学習に加え、「ピースクリエイターになろう」ワークショップに参加され、アクティブ・ラーニングの手法を通して、「学びの変革」を実体験することができます。このプログラムに参加された生徒さんが、これまでの「ひろしま修学旅行」と一味も二味も違った充実感にひたることが、必ずや実感できるものと確信し、本プログラムの活用を推薦します。


重 政子 氏 (持続可能な開発のための教育推進会議 代表理事)

世界では持続不可能なことが次々と起こっています。でもそれは自分の生活とかけ離れたところで起きていると思われていて、身近に何か大きな変化がない限り、自分にかかわりのあることとして捉えられないことが大きな課題となっています。

地球環境の保全のために、あるいは、持続可能な世界のためにという言葉が文化や経済・社会のあらゆるジャンルをこえて飛び交いそれぞれの分野で、今できることを探して行動に移さんともしています。でも、どうでしょう、ほんとうの平和を理解し、眼に見えないものの価値の大切さを理解し、行動できる人を増やさない限り、持続可能な世界は何時までたっても創ることはできないのではないでしょうか。

“戦争は人の心の中で起こるものだから

人の心の中に

平和の砦を築かなければならない“とユネスコ憲章の前文にあります。

この度、新しく一人ひとりが“心に平和の砦を築く”にふさわしい学びのプログラムが、広島の地に誕生しました。
修学旅行が単に施設や遺産の見学に終始する時代から大きくシフトして、自ら直接体験し、そこから新たな発見や気づきを得る、楽しいまなび合いの機会になって久しいのですが、この“ピースクリエイターになろう”のプログラムは持続可能な未来の担い手づくりに大いに役立つことと存じます。

修学旅行生は、平和記念資料館の見学で人間の心の持つ恐ろしさやおろかさに憤りや戸惑いを感じられると思います。このやわらかい感性のままに「ピースクリエイターになろう」のワークショップの体験をしていただくことで更に深い思索と視野の広がりの中から単に戦争反対・核兵器をなくせではなく、ほんものの平和は一人ひとりの心の中に築き上げていく、創っていくことこそが大事なのだと理解してくれると確信し、このプログラムの体験をご推薦いたします。